【連載:ロングスカートの女性】エピローグ:第25話「お付き合い中の婚活女性とのその後」
ミオと付き合うことになった時点では、婚活で知り合い、お付き合いをしていた女性とはまだ付き合っていることになっていた。
出会って1カ月の2月下旬から結婚を決めて欲しいと結論を急がれていたため、それ以来会う気持ちはなくなっていた。
何もなかったのだが、事実、お付き合いが終了していない状態を維持している時点でミオと二股状態となってしまっていた。
本来ならすぐに別れればいいし、別れなければならないのだけれど、今回に限っては結論が出るまでに時間が必要だった。
今回、結論を出せない明確な理由は2つあった。どちらも向こうに伝えられる部類のものではなかったので、向こうからお断りの連絡を待つ以外に方法がなかった。
これは結婚相談所の担当者と本音で会話をし、僕の一存ではなく、そういうことになっていた。
2月末から3月末まではLINEでのやりとりに終始していた。進展が見られない状況に業を煮やしたりもした。
それから2週間くらい経過し、お付き合い開始からちょうど3カ月経過した4月中旬、向こうから「結婚を決められないならお付き合いを終わらせたい」とついに申し出があった。
僕はすぐにその申し出を了承し、僕らのお付き合いは終了した。
深いお付き合いをする以前に
お互いに相手のことを理解する以前に
結婚を決めなければならない
結婚相談所という世界に怖さを感じた。
結婚したい人たちが集まり、結婚することが目的になっている人たちが活動する世界。
それが結婚相談所
リクルートのCMではないけれど、結婚しなくても生きていけるこの世の中で、この人となら一緒に居たい、この人だから結婚したいと思える相手を探す場所とは少しニュアンスの違う考え方を持った方が集う、結婚相談所はそんな場所なのだ。
いや、僕だって結婚はしたいんだ。
でも結婚が目的ではない。
結婚は幸せになるための手段でなければならない。そう思うから結婚を目的にしている方々とは相容れないのかもしれない。
僕はこれからも相手が誰であっても結婚は目的にしない。幸せになる手段が結婚なのであれば結婚するし、それが結論ではない形なのであれば結婚はしないと思う。