【連載:天真爛漫】第2話「初めての獺祭」
6つの日本酒飲み比べセットを提案してくれた店員さんの第一印象が凄く良くて感動していた。
ビビビッ!!と来た。
2分くらいして、その店員さんが戻ってきて言った。
「すみません!飲み比べセットの6つの日本酒の中で1つが切れてしまいまして。で、もしよかったら私のオススメにはなってしまうんですが、それに代えさせていただいてもよろしいですか?」
はい、全然大丈夫ですよ〜と軽く返事をした。日本酒はわからないし、比べられるなら何でもよかったし。
そのまた5分後くらいに店員さんが飲み比べセットを持って戻ってきた。
「おまたせしました。飲み比べセットです。私のオススメが1つ入ってますがすみません!獺祭っていう日本酒です。」
飲み比べてみて、何が気に入ったかを後で答えますね、みたいなことを店員さんに言って、僕と相談者は1つずつ味見をしていった。
6つの中で明らかに味も香りもダントツで大好きなものがあった。
何これ、日本酒!?
飲みやすいしフルーティ、香りも凄くいい!
日本酒のイメージがガラッと変わって日本酒に興味が出てきた。
しばらくして、店員さんが戻ってきて聞いた。
「どうでしたか?何か気に入ったのありましたか?」
僕は迷いなく、これ!凄く美味しくて気に入りました!と答えた。
すると店員さんが満面の笑みで言った。
「それ、私のオススメで入れた獺祭という日本酒なんですよ!わーい!」
そう言って、その店員さんは底抜けに明るい感じで微笑んだ。
僕はその店員さんに一目惚れした。
(続く)