【連載:天真爛漫】第5話「デートのお誘い」
「はい、お財布です。もう忘れちゃダメですよ!あはは」
「ありがとうございました。もう忘れません!あはは」
僕はエリカから財布を受けとり鞄にしまった。
そして店の出口に身体を向けた。
身体を出口に向けたとき、ふとお店の入り口にある電話機が目に入り、その傍に僕の名刺が置かれているのが見えた。
僕はエリカに電話機傍の名刺を指差して
「あの、あれ...」
と言った。
「あ!ごめんなさい!すぐお持ちしますね!」
「いえ、違うんです。もしよろしければエリカさんがあの名刺を貰っていただけませんか。連絡先書いてあるので。今度お食事でもいかがですか?デートのお誘いです。あはは。獺祭や財布のお礼したいですし是非連絡ください。」
「わかりました。じゃあ遠慮なく。あはは」
後日、エリカから連絡が来た。
僕らは池袋で夕飯を食べる約束をした。
(続く)