Junの徒然

思いのままに綴るブログ

【連載:多重人格彼女】第13話「謎は解けた」

アゲハは記憶を失くしていた。それは解離性同一性障害の症状が原因だということがわかった。

 

「つまり、こういうことなんだよね。今朝帰るときに帰りたくないと思ったアゲハは記憶を失った。アゲハの中にいる別の人格と交代して、怒られたのはその交代した人。気づいたら怒られた後で僕のメールに気づいた。」
「うん...記憶がないときに何があったのかはわからないけど、たぶんそうなんだと思います。」
「でもひとつ疑問が残ってる。」
「何ですか?」
「昨日も少し記憶がないって言ってたよね?それはどのタイミング?」
「えっと...あの...ホテルで電気が消えた後くらいに...」
「そういうことか!」
「え?疑問は解決したんですか?」
「した!なるほどねーそういうことか!謎は解けた!」
「え?どういうこと?」


僕は昨日ホテルで電気を消してから何もせずに寝たところまでをアゲハに説明した。


「あ...してないんですね...私たち...」
「してると思ってた?」
「いえ、いつもは知らない間に終わっていて、した感覚は残ってるんですが、今朝はその感覚がなかったので不思議に思ってたんですが」


そういった後、続けた。


「なるほどねーそういうことか!謎は解けた!」


ちょっと意地悪なドヤ顔っぽい表情でこう言って満面の笑みを浮かべた。
真似されたことに気づいた僕も自然と笑顔になっていた。
僕はアゲハのことが好きになっていると気づいた。
(続く)