【連載】第13話「彼女との再会とバイバイ」
2017年12月初旬、僕らは再会した。
待ち合わせの時間に合わせて出張の土産を持参し待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせ時間を少し過ぎた頃、彼女は待ち合わせ場所にやってきた。
「遅くなってすみません」
そう言葉を発した彼女はどこか気まずそうに笑顔を作った。
約1カ月ぶりに会った彼女の髪型は変わっていた。色も黒髪から茶髪に。着ている服も前回会ったときのような女性らしいものではなく、見るからにボーイッシュな格好をしていた。
前回会ったときの印象が強かったため驚いたのだが、それ以上に会えたことが嬉しかった。
最初の店で食事をし、移動してBARでお酒を飲んだ。
一緒にいる間、家族や仕事のこと、前回のウチに来ようと思った理由、ウチに来てからのスマホ紛失事件や母親とのやりとりなどを楽しく会話したのを覚えている。
楽しいひと時だったが、そんな時間はすぐに終わってしまった。楽しかったと感じたのは彼女が話しやすいように気を遣ってくれたからだろう。
改めて、前回の感謝の気持ちを伝え、お礼として用意した出張土産の焼酎を手渡し、もう会うキッカケもなくなったし会うことはないのだろうと切ない気持ちを抱きながら、僕らはバイバイした。
(続く)