【連載:ロングスカートの女性】エピローグ:第24話「お母様ご挨拶」
3月下旬からロングスカートの女性と付き合うことになったところでハッピーエンドを迎えてから1週間後、僕はいきなり危機に直面していた。
ロングスカートの女性のことをミオと呼ぶようになっていたが、ミオのお母様が僕に会いたいということで、付き合うことになってから1週間後、お母様とミオと3人で夕食を共にすることとなった。短期間に同じようなお母様へのご挨拶にデジャブ感が否めなかった。
ミオのお母様はざっくばらんな飾らない方だったが、どこか強い意志を持つ方のように感じた。
夕食がはじまり、最初はお互いにぎこちない感じで注文するものを決めた。
飲みものがきてから唐突に本題に入った。
「今娘と付き合ってるんですよね?バツイチ子持ちなんですって?娘から聞きました。付き合うだけなら別にいいんですけど、娘も年頃ですし、バツイチ子持ちとの結婚は気になるし、結婚はやめといた方がいいんじゃないのって娘に言ったんですよ。心配なんですよ、娘が。」
物凄い唐突感に、すぐに言葉が出てこなかった。
お付き合いをすることに決まって、次に会うタイミングがお母様と同席で、しかもそんな唐突なコミュニケーションから始まったからびっくりしてしまった。
バツイチ子持ちを拒否るお相手やご両親は多い。それは仕方がない。大切な娘には幸せになってほしいわけだから、ある意味、失敗した経験のある人とは一緒にさせたくないだろうという気持ちもわかる。
でも、付き合い始めでいきなり結婚の話題?本人同士も結婚前提でお付き合いするかどうかなんて話したこともなかったし、何故付き合い始めにそんなことを言われたのか理解が出来なかった。
付き合うことに反対はしない。
でも結婚は許さない。
そういうことなのか?
話を直接的に受け取るとそうなる。
結婚を考えているのなら
相当な覚悟を持って娘と付き合ってもらわないと困る。これからのあなたをみていくよ。
こっちの意味なのか?
話を良いように解釈するとこうなる。
過去は変えられないし、いきなり結婚を意識したお付き合いを考えられるほどミオを知らないし、どうしたものか、とにかく前途多難だなと頭を抱えることになった。
普通にお付き合いして、お互いを理解した上で一緒に居たいと思えたら自然に結婚を意識して、結婚する。
そんな普通と思っていることは理想なのだろうか。
まずはミオをもっと知りたい。
ミオが何を考え、どう思い、何が好きで、何が気に入らないのか。
その上で付き合い続けるのか、別れてしまうのか、自然と答えは出てくるだろうと思う。
今はそれだけを考えたい。
条件をクリアすることを意識するような、そんな付き合い方はしたくないから。