Junの徒然

思いのままに綴るブログ

【連載:多重人格彼女】第15話「従兄弟の正体」

アゲハは僕を受け入れてもよく、抱っこしてほしいと思ってくれていることがわかった。

でも、話せば話すほど疑問が湧いてくる。
アゲハはエッチの直前に必ず人格が交代するのか、いつもは知らない間に終わっているといういつもとはいつの話なのか、従兄弟はどんな人なのか。知りたいことが山積みだった。


「アゲハはエッチの直前に必ず記憶を失くすの?」
「うん...そういうときは気づいたら裸になってる」
「そっか、そういうのを担当する人格がいるってことか。」
「うん...その人の名前はアサコさんっていうらしいです。カウンセラーの先生が話したことあるって言ってました。」
「念のために聞くけど、カウンセラーの先生とアサコさんに身体の関係はないんだよね」
「ないはずです。カウンセリング中に交代してるみたいなので。」


「あと、また別なんだけど、いつもは知らない間に終わってるっていうのはいつの話?アゲハがしてもいいと思ってる相手が今いるってこと?」
「えっと...私、嘘をついてるので訂正させてください。ごめんなさい。」
「え?うん、どんなこと?」
「実は昨日電話が来た、一緒に住んでる従兄弟は従兄弟ではなくて、別の人格の彼氏なの」
「マジか!!人格毎に彼氏がいたら大変だな。そっか、だから心配で何回も電話が来てたんだね。でも、その人格の彼氏さんはその人格と付き合っているわけで、アゲハとは付き合ってないんだよね?なのになんでアゲハのときに求めてくるんだ?」
「その人格の彼氏は私のことも好きだと言っていて、だからだと言ってました。」
「うーん、なるほどねー。でも好きだからしていいって話にはならないと思うんだよなー。その人格のときだけにするのが礼儀というかなんというか。」
「付き合ってる人格はサオリさんと言うそうです。」
「じゃあサオリさんはエッチできるんだ?」
「いえ、できないみたいでアサコさんかもう一人できるユミさんって人のどちらかが対応するみたいです。」
「えーと、わからなくなってきた(笑)その彼氏さんはなんていう方?」
「ノボルさん」
「いったん整理させて。ノボルさんと別人格のサオリさんが付き合っていて同棲中。ノボルさんはアゲハのことも好きで、でもエッチするときは別人格のアサコさんかユミさんってことだね」
「はい」


正直なところ、凄く興味深いけど他人事じゃないから大変だなと感じた。すごい人を好きになってしまったものだ。
アゲハはノボルさんのことをどう考えてるのだろうか。
(続く)