Junの徒然

思いのままに綴るブログ

【連載】最終回:第23話「サクラサク」

3月下旬、映画館前で元ロングスカートの女性と待ち合わせをした。

5回目の再会。

相変わらず会えるだけで嬉しい。

 

映画が始まる前に飲み物を買い、映画館に入った。

 

今回観た映画は

ザ・グレイテスト・ショーマン

 

始まってからほとんどが歌とダンスで構成されている映画だった。

 

音楽とストーリー展開の速さで一気に引き込まれて、ハマってしまった。凄くいい映画だったし、歌がとってもよかったので、映画が終わったすぐにサウンドトラックを買ってしまった。

そのくらい大好きになった映画だった。

 

映画が終わった後、いつものように飲みに行き、映画の感想を言い合ったりして、完全に典型的なデートだった。

 

最初に会ったときから不思議な感覚だったけれど、その後も偶然の重なり具合が半端なかった。
僕の妹と彼女が同じ高校の先輩後輩だったり、さらに両方の親が勤めていた企業が同じだったりしたのには本当に驚いた。

小説やドラマにありがちな偶然の重なる展開が現実に起こっているのだから、もうこれは縁としか考えられなかった。

 

好きな人がいると聞いていたけれど、前回までよりも距離感が縮まった気もするし、そもそも誘ってくれて会っているわけだし、3月初旬に会ったときから彼女の中で何かが変わり始めたのはなんとなく感じた。

 

僕らの会話の中で、一緒に旅行に行くことに前向きだったりとか、最初に会った時に電話でお話させていただいたお母様が僕と会ってみてもいいと言ってくれているらしいことを聞いたりしていると、ただ会ってバイバイする関係性から一歩先に進められるのかなと感じることができた。

単なる知り合いでもないし、友達でもないし、自然にお付き合いする二人のような感じになってきているんじゃないかな、と。

 

僕は何かに導かれるように、彼女にお付き合いしてほしいと申し出た。

 

そして、僕たちは付き合うことになった。

 

この日初めて、僕は彼女と次に会う日を決めることができた。

 

3月下旬、僕にようやく春がやってきた。

サクラサク

(おしまい)