【連載】第15話「2018年新たな気持ちで」
2018年になった。あまり実感がない。
もう彼女とのことは過去の良い想い出にしなければ。こちらから「あけましておめでとう」とLINEしたが彼女からの返事はもちろんないままだった。そのうち意識もしなくなるだろう。時間が解決してくれるはずだ。
2017年に引き続きお見合い予定が3件入っていた。
年を越した頃、婚活疲れというものを感じ始めてから数ヶ月経過していたのもあり、一度休会しようと決めた。
予定の3件は既に決まっているので、この3件だけはこなさなければならない。
2018年1月初旬1人目が終わり、残りは中旬に1人と下旬に1人だった。
中旬と下旬にお見合いをする予定になっていた人は会ってみたいと強く思う2人だったので、休会前の最後にふさわしいキャスティングだなと素直に思った。
2018年1月中旬、お見合い2人目のとき、結構適当になっていた。
僕は昼間のお見合いであるにもかかわらず、お見合いの席でお見合い相手に
「飲みもの何になさいますか?お酒もありますよ。僕はちょっと飲みたい気分です。」
と言った。
この発言、お見合いでは絶対にありえない。
初対面で相手に失礼のないように接し好印象を持っていただかないといけない場で、いきなりお酒を飲むかのような発言はまずい。
この時期、本当にお見合いはどうでもよくなっていたから適当にこなして帰ろうとしていた。
すると相手からこんな一言が。
「私もお酒を飲もうと決めていたんです!言ってくださって嬉しいです!」
美人のカテゴリに入る方ではないけれど、元気いっぱいで笑顔の素敵な女性という印象を持った。
僕らは初対面でお互いに赤ワインを頼んだ。
後日聞いた話によると、形式張った堅苦しいお見合いに疲れてしまい、僕とのお見合いではお酒を飲もうと決めていたのだそうだ。お酒を飲めないならすぐに帰ろうともしていたらしい。
変わった人に出会って、そんな見合い相手に興味を持った。もっと知りたいなと自然に思えた。
正直、寂しさを感じていたのもあったのかもしれない。
僕はお見合い開始10分くらいで見合い相手に交際を申し込んでいた。
(続く)